プロローグ
海空の共同オーナーである竹内真治さん(以降、竹さん)が、海空で日本一周の企画を立て、今年は第一弾で夏場の海の良い時期だけ、東・北日本を周ります。竹さんは、海空で7月19日に横須賀の浦賀のマリンポートコーチヤを出発。約2ヶ月かけて日本海の富山湾まで行く計画です。今回は北海道で一番良いと思われる霧多布の浜中港から根室半島の納沙布岬を周り野付半島、知床の羅臼、知床半島を周り、網走、枝幸(えさし)、宗谷岬を周って、利尻島という核心部に同乗してきました。
霧多布で合流

浜中駅前 浜中港(霧多布)の海空
刺し網漁の1部(マス、カレイ、カジカ等)
8月2日、空路で根室中標津空港に降り立ちました。空港から1時間30分、バスに揺られて根室駅前まで出ました。霧雨が降るあいにくの空模様。東京からポロシャツで来た私は、寒さに驚きました。気温19度。肌寒いです。早速、長袖のシャツを着きました。駅前では、このあたりで有名な花咲カニが1匹、3,000円程度で売られていました。遅い昼食を採ろうと思いカニでも食べようかとも思いましたが、暖かいものが食べたかったので、駅のそば屋でカツ丼、かけそばセットを注文。(おいおい、こんなところまで来て、カツ丼かよ。と聞こえてきそうですが。)次の汽車まで1時間の待ち時間。JR花咲線は1両のディーゼル車でした。しかも、ワンマン汽車。乗客も10名程度。1時間20分で浜中駅に到着。駅の周りには何もない場所でした。タクシーくらいはあるかと思っていたのですが、タクシーはありません。路線バスが止まっていたので、運転手に聞くと1時間後に出発して霧多布に行くとのこと。浜中漁協前まで距離を聞くと14km。とても歩いていける距離ではないので、バスで行くことにしました。しかし、バスがあって良かった。あまりのローカルさにカルチャーショックでした。バスがなかったら4時間くらい歩くことになっていた。バスで20分くらい霧多布の町の浜中漁港に到着。霧多布というだけあって、物凄い濃霧。漁港には竹さんと海空が待っていました。この日の夜は、漁師さんが浜中漁協の宿泊施設を貸してくれることになって、1日移動の疲れを大きな風呂に入って、流したのでした。その漁師さんが、昆布の煮付けとサンマのたたきを差し入れしてくれて、竹さんと再会を祝しました。
根室へ向けて出港

根室港の海空
国境近くを通り羅臼へ

野付半島 国後島

羅臼の峯浜漁港に泊まる海空 羅臼岳を望む
8月4日、相変わらず濃霧。天候はくもり。漁師さんから毛がにの親戚のクリガニを5杯も頂き、漁師さんや漁協の人達の訪問を受け、朝8時に出港しました。本日の予定は、根室から野付半島を巡り、国後島との国境を航行して知床半島付け根の羅臼町峯浜漁港までの行程です。沖合いに出ると霧も晴れて、天気も晴れになりました。海況もべた凪。野付半島の野付湾に入り、野付港を訪れました。その後、国後島を見ながらわざと国境ギリギリを航行し、国後島の写真を撮りました。ロシアの警備艇が出てくるかと思いましたが、何も反応はありませんでした。海空は順調に航行してお昼に羅臼町峯浜漁港に到着しました。実に静かな漁港です。公園があり、綺麗なトイレと芝生があり、そこにテントを張りました。私が1km先の雑貨店に買い物に行っている間に竹さんは、釧路から来た防波堤で釣りをしている人に声をかけて、釣りに出かけました。コマイ、カジカ、クロガシラ(カレイの仲間)を釣り返ってきました。夕食は、たまねぎと卵の炒め物、クロガシラの煮付けとクリガニの浜ゆでです。地元の漁師さんに「クリガニは、カラスもくわねぇ。翌朝、タラバガニが採れたらやるから」と言われながら食べました。クリガニの味は、まずくはないです。ただ、小さいので食べるのが面倒なことかな。クロガシラの煮付けは、肉厚で上品な淡白な味でした。旨かった。ビールと焼酎とワインを傾けながら、夜はふけていきました。
クロガシラ(カレイ) 根室でもらったクリガニ
峯浜公園にテントを張る。芝生が最高!!
秘境知床半島核心部へ

羅臼でもらった毛ガニ、タラバカニ 知床半島を望む

霧の中の羅臼沖 ショットガンにきたスルメイカ
羅臼港沖 羅臼港

羅臼港の竹さん 羅臼港の竹さんのショット
8月5日、4時起床。またまた濃霧。家族で定置網漁をしている漁師さんが戻ってきたので、覗いてみると、マスが大漁でした。他には、アメマスやコマイ、エゾメバル、ホッケなどが混ざっていました。お爺さんの漁師さんが、「好きなのもってけ。」「いやいや、結構です。2人では食べきれないから。」というと「怒るぞ。いいから持っていけ。」とビニール袋をくれ、コマイとエゾメバルと小さめのマス(1kgくらい)を頂きました。その後、昨日の漁師さんが刺し網漁から戻ってきて、「根室でクリガニをもらったのだったら、羅臼では、クリガニの親戚の毛がにをあげないわけにいかないべ。好きなだけ持っていけ」と言われ、大きめ800gくらいの毛がにを3杯とタラバガニの足だけ2杯を頂きました。そして、8時に出港。羅臼港に立ち寄り、氷を購入して知床岬を目指しました。途中、魚探の反応にショットガン(コマセなしサビキ)をするとスルメイカが釣れました。普通のサバ皮サビキでスルメイカが釣れるなんて、魚影が濃いのですね。スルメイカを沖漬けにしました。また、別な魚探の反応にショットガンをするとホッケが入れ食いになりました。ショットガンも底まで到達せず途中で止まります。すると8本のサビキ全部にパーフェクトにかかっていました。非常に重かった。そして、ジギングです。ジギングでも釣れてくるのは、ホッケ。竹さんが底で別なアタリを取りました。あげてくると2kgほどのマダラでした。後は、反応全部、ホッケでした。すぐにクーラー満タンになり、リリースです。知床岬を周ると霧も晴れてきて、知床の景観が見えてきました。知床岬の少しオホーツク海に回ったところに、文吉港があり番屋があって知床らしい景色を見られました。また、海に落ちる滝(女滝と男滝)も見れました。男滝には、観光船でも近寄らないくらいに岸に寄って写真を撮りました。知床の核心部が見られて最高でした。時計を見ると14時。だいぶ遊びすぎました。宇登呂まで行かずに網走を目指しました。16時30分ころに網走港に到着しました。手ごろなところにボートを泊めて、テントを張っていると漁師さんが来て、「ここには泊めない方が良い。朝、港を出て行く船の引き波でボートが壊れるぞ。」ということで、漁師さんの船にだかして泊めさせてもらいました。その漁師さんからは、エゾバフンウニを10個ほど頂きました。また、地元のプレジャーボートのオーナーの人に「ロシア人に気をつけろ。おもてにいろいろな物を出して置くと盗られるぞ。」と注意を受けました。テントを張っているとロシア人がウロウロしていました。竹さんが銀行と買出しに行くので一緒に行こうと言われましたが、「怪しいロシア人がいるから、番をしています。」と残りました。懸念通り、先ほどのロシア人がテントの数m先に来て、こちらをチラチラ見ながら、たばこを吸いながら酒を飲んで、仲間に携帯電話で連絡していました。緊張が走ります。こちらが、睨みつけると知らんプリをして、こちらが知らんプリするとこちらを見ています。1時間以上こんな状況が続きました。竹さんがようやく戻ってきて、夕食の準備を始めるとそのロシア人は諦めたようで船の方に戻って行きました。いやーシビレタ。1人の所をロシア人何人かで襲われたらどうしようなどと考えていました。その夜は、簡単にレトルトのご飯とカレーで済ませて、テントの中に護身用に包丁を忍ばせて寝たのでした。
羅臼港の私 ショットガンにきたホッケ

ジギングで釣ったマダラ 知床半島先端文吉港近くの奇岩
知床半島核心部 海に落ちる女滝
海に落ちる男滝
単独での90マイル操船と霧の中の着岸訓練

網走港でのテントサイト 網走港での海空
3kgほどのマスを頂きました 枝幸港でのキャンプ

豪華なディナー食材 ワインを片手に調理開始
8月6日、また濃霧。昨日の漁師さんから定置網で採れた3kgほどの大きなマスを頂きました。7時ころに出港しようとしたら、ヨットを係留しているオーナーの方にヨットから声をかけられて、ヨットにお招きを受けました。ドリップコーヒーをご馳走になり、クルージング談義になりました。霧の中は寒いからとインスタントスープやチョコレート、ウイスキーを頂いて、8時に出港しました。本日の予定は、網走から稚内の近くの枝幸港に行く行程です。霧の中を沖出しして、定置網をかわすようようにしてから、操船を任されました。枝幸まで90マイル以上。5時間の操船です。こんな経験は普段は出来ません。レーダとDGPSとコンパスを見ながら、枝幸港を目標に出来るだけ真っ直ぐに進みます。目標物がないために真っ直ぐに進むのは難しいですね。特徴ある雲の形を目標にしたり、山影を目標にしたりと睡魔と戦いながら進みました。この日も海況はべた凪。途中、23ノットくらい出してしまいました。気持ちの良いクルージングです。レーダには、刺し網などの旗もはっきりと映し出されます。枝幸港に近づくとまたも濃霧。全く前が見えません。港に入るのに、レーダとDGPSの詳細データを頼りに入港します。竹さんからは、レーダとDGPSを頼りに入港することを言われ、後は任せたと試練を与えられました。レーダとDGPSには、堤防が映し出され、その方向を見ながら進みます。全く見えない状態での入港は、初めての経験です。無事に入港して、良い勉強になりました。霧の中の入港を経験して、またステップアップしました。90マイル以上の操船と霧の中の入港、通常では経験できない良い体験をしました。入港してプレジャーボート用の岸壁に案内されて、町役場の方に町の案内をして頂き、買出しなどにも付き合って頂いて大変助かりました。今日の晩御飯は、贅沢に海産物づくしです。まず、毛がにとタラバガニの浜ゆで。沸騰させて、多めの塩を入れて浜ゆでにしました。オードブル、毛がにとタラバガニの浜ゆでの完成です。竹さんと2人でむさぼるように食べました。美味しいものは、人を無口にします。カニは、また特別に無口にさせなすね。十勝の赤ワインを飲むもの忘れて食べました。毛がには、甘みがあり、ミソもたっぷり。タラバガニは、肉がぎっしりで食べ応えがあり、どちらも甲乙つけがたい。カニを食べた後は、コマイ、ホッケ、マダラとマダラの白子を使い、出汁に臼尻昆布を使った北海味噌汁。コマイもホッケもマダラも実に淡白な上品な味です。また、出汁が最高においしい。メインディッシュは、コマイ、ホッケ、マスの切り身の塩焼き。どれも美味しいのですが、コマイとホッケは水っぽい感じでダントツで美味かったのは、マス。脂が乗っていて、香ばしい。最後は、デザート。本日の買出しで買った、北海道産の赤肉メロンで北海フルコースの完了です。

日本最北端の宗谷岬の沖 利尻島の眺め
仙法志漁港の海空と竹さん 海空特製、イカの沖漬け
8月7日、今日も濃霧。今日は、枝幸から宗谷岬を周って利尻島に行く予定。枝幸港では、凪だったのですが沖にでると北西の風が吹き始め、波は1.5mほどになりました。しかし、追い波で問題ありません。ボートの巻き上げる水しぶきが、左舷の私のいる方にかかります。全身、ビッショリです。しかし、防水ウェアを着ているので問題なし。宗谷岬で竹さんがショットガン(コマセなしサビキ)をやります。日本最北端の沖で釣りなんて、最高です。これが晴れていたらもっと最高なんですがね。ショットガンには、25cmくらいのエゾメバルが入れ食いになりました。宗谷岬の日本最北端記念碑沖で、沖から逆写真を取り、利尻に向かいます。風は、10mを超えていました。しかし、幸いなことに波は成長しませんでした。長居は無用。稚内沖を周り込んで、利尻島が見え始めました。稚内から利尻島の半分くらいの行程まで波があり、相変わらず、私だけビショビショ。利尻島に近づくにつれて、晴れてきて、波も収まってきました。利尻島沖に着いた時には、快晴で無風。鏡のような海面状態でした。快適クルージングです。利尻島の南側にある仙法志(せんほうし)漁港に入港しました。早速、港にテントを張り、寝床を確保。早めの夕食兼昼食を取る。レトルト御飯とレトルトカレー。それに、イカの沖漬け。醤油だけで作ったのですが、絶妙に美味い。夕方から雨が降り始め、竹さんの30年来のお友達が車で港に迎えに来てくれた。利尻の居酒屋に連れて行ってもらい、ホッキ貝やソイの刺身、ナメタカレイの煮付け、カスベ(エイ)の煮付けを食べて、満足。この日の夜は、10m以上の南風と豪雨でテントの中で寝たのでした。

かわまさのおっ母こと修子さん マリンフーズかわまさ
かわまさファミリ(親方、大樹君、おっ母)
8月8日、朝から雨、波も3m以上で何もすることがありません。朝御飯をレトルト食品で済ませて、朝から、チューハイや日本酒を飲んで、良い気持ちになり、昼頃まで寝ていました。午後から、私の知り合いの漁師さん、かわまさの親方と連絡を取り、車で迎えに来てもらい、かわまさのお店に行きました。親方とは6年ぶりくらいに再会。利尻岳を登りに来たときにお店を訪れて、親方と奥さんの修子さんにお世話になったのでした。しばらくすると、奥さんの修子さんも買い物から戻ってきて、再会を祝して生ビールで乾杯。かわまさ特製のイカの沖漬けを肴に飲み始めました。親方が2升の日本酒を持ってきて、本格的に昼間から宴会になった。ノナウニ(ムラサキウニ)の生、ホッケの干物、ホタテの刺身と利尻昆布のとろろ昆布汁を御馳走になり、親方と竹さんと私の3人で1升半を空けてへべれけ状態。気持ち良くテントに戻りました。30分もしないうちに竹さんのお友達の井田さんが迎えに来てくれて、井田さんのお宅にお邪魔しました。家族で出迎えてくれて、皆でバーベキューパーティーです。久々に肉を食いましたよ。そして、井田さん特製のエゾバフンウニの塩漬け。これが、アツアツ御飯に最高。井田さんの奥さんが、明日の朝御飯用にと塩ウニのオニギリとアワビとホタテの焼き物を作ってくれました。そして、北海道産の赤肉メロンも頂きました。

特製塩ウニおにぎりとあわび、ホタテ、メロンの朝食 北海道最後の晩餐? 朝餐?
8月9日、いよいよ利尻島の最終日が来ました。雨もあがりくもり。朝焼けが綺麗です。井田さんの奥さんが、娘さんがフェリーで帰省するというのでフェリーターミナルに迎えに行くというので、フェリー乗り場まで一緒に乗せてもらうことにしました。関東は、台風10号が猛威をふるっていました。海空も仙法志漁港の内港(二重の堤防)に係留して台風対策は完璧です。漁師さんがここなら、台風も大丈夫とお墨付きの場所でした。
朝食に昨日のウニオニギリとあわび、メロンを食べて豪華な朝食も終わり、フェリーターミナルに向かいました。利尻島は台風の影響もなく、海は凪です。フェリーから降りてきた井田さんの娘さんと挨拶を交わし、入れ違いにフェリーに乗り込みました。フェリーには大勢の観光客が乗船していました。稚内まで1時間40分の船旅です。稚内港に着くと稚内空港までのバスの時間が飛行機の出発時間とギリギリだったので、タクシーで3,000円くらいだとのことでタクシーで稚内空港に行きました。運転士さんは、利尻島の出身だそうで、偶然にもかわまささんや井田さんのことをご存知でした。世の中狭いね。羽田からの到着便が台風の影響で遅れ、出発便も遅れました。空港のアナウンスでは、台風の影響で羽田空港に降りられない場合は、成田空港か大阪の伊丹空港に行くとのこと、えっ〜、イヤーな感じ。しかし、定刻の20分遅れで、稚内を飛び立ちました。上空12,000mは、夏の青空が広がっていました。8日間の船旅に思いを馳せ、羽田に30分遅れで到着です。滑走路に着陸する際に、台風の横風で機体が揺れた揺れた、機体が滑走路に対して斜めになりながら着陸をする様は、スリル満点でした。しかし、予定変更もなく無事に着陸。東京は、台風10号の影響で強風と豪雨でした。夢のような夏休み終わりです。現実社会に戻ってきた実感が湧いてきました。
To Be Continue ・・・ See You Next Year!!